看護の未来を、理不尽な理由で閉ざさないために
担当:柴犬
2026.3

現在、私は病院で看護師長として勤務し、日々スタッフと共に命の現場に立っています。
……なんて書くと格好いいですが、リアルな姿は、スタッフの愚痴を聞き、揉め事に介入し、「早く作れ」というみんなからの熱視線を背中に浴びながら必死に勤務表を作成している、ただのおじさん看護師長です。
そんな私が、「はぐくみネット」の相談員としての活動を続けていることについて、少し気持ちを書いてみたいと思います。
私がこの活動に加わろうと決めたきっかけは、はぐくみネット代表ご夫妻が発信されたニュースを目にしたことでした。当時、私の息子も看護学校の2年生で、まさに実習の真っ最中。ニュースで報じられる理不尽な現状と、懸命に実習に励む息子の姿が重なり、親として、そして同じ道を歩む先輩として、どうしても他人事とは思えませんでした。
「男子学生」というだけで向けられた、あの頃の視線
思い返せば、私自身の学生時代も決して平坦な道ではありませんでした。当時はまだ「看護士」と呼ばれた時代。学校にも職場にも男性はほとんどおらず、どこへ行っても「男だから」という理由だけで色眼鏡で見られる……今思えば、あれは立派なハラスメントだったのだと感じます。
そんな環境でしたから、私自身の学生時代は「負けないぞ!」と机に向かう優等生……というわけでは全くなく、勉強はろくにしなかったし、すぐに口答えはするし、衝突ばかり。臨床に出てからも、楽しかった思い出と同じくらい「男だから」という理不尽な壁に抗い続けてきた四半世紀でもありました。
「ジャージ姿の体育教師」が一人くらいいてもいい
はぐくみネットのメンバーは、総じて優しく頼りがいのある人たちばかりです。もし、この「はぐくみネット」が一つの看護学校で、メンバーが教師だとしたら、私はきっと、いつもジャージを着ている声の大きな体育教師じゃないかな、と思っています。
他のみんなみたいに、何でも知っているわけじゃない。丁寧な言葉遣いができるわけでもない。スラスラと綺麗なアセスメントを言うのも苦手。だけど、「みんなより速く走ることだけは得意だぞ!生徒にも絶対に負けねぇ!」みたいな。そんなメンバーが一人くらい混ざっていても、許されるんじゃないか。そんな思いで活動に参加しています。
所詮は臨床を四半世紀やってきた、一介の看護師です。ですが、自分なりの経験や現場で感じてきたことを信じて、良いこと悪いことを見分けて生きてきました。お勉強よりも、みんなと「ガハハ」とふざけて笑い合うほうが得意な、この僕にしか無い泥臭い経験が、今の時代を生きる「あなた」の役に立つんじゃないか。そう信じているのです。
プロを育てる「正当な厳しさ」とは
もちろん、看護師という仕事は決して楽なものではありません。日々進化する医療情報をアップデートし続けなければなりませんし、現場では肉体的なハードさと、患者さんの心に寄り添う精神的なタフさの両方が求められます。命を預かるプロを育てる上で、看護学校での教育がある程度厳しくなるのは、当然のことだとも思っています。
しかし、その「厳しさ」の正体が、理不尽なハラスメントであったり、伝統だけを重視した閉鎖的なルールの押し付けであったりするなら、それは話が別です。
看護師になりたい人をどうやって増やしていくか。それを国を挙げて考えなければならない時に、せっかく大きな志を持って入学した行動力のある「あなた」が、こうした理不尽な現状によって夢を諦めてしまう。そんな悲しいことは、絶対にあってはならないと強く感じています。
悩める看護学生の「あなた」へ
いま、このサイトを訪れている多くの人は、人知れず悩みを抱えている看護学生の「あなた」だと思います。「自分だけがダメなんじゃないか」「もう辞めてしまいたい」と追い詰められているかもしれません。
どうか、一人で抱え込まずに我々を頼ってみてください。はぐくみネットには、きっと「あなた」が求めていた相談相手がいるはずです。
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