ウシ私は、身寄りの無い人々、多様な生きづらさを抱えている人を看護や医療に繋げること、その人々の生活再建の歩みを共にさせて頂いています。
看護教員時代は、学生さんと「恋バナ💓」の時間が大好きでした。
相談員としては、心理支援をさせて頂いています。
私は、日頃から人々の苦しみや悲しみの側に居させていただいています。
中には、誰にも相手にされない、不安や苦しみをずっと抱えている人々もいます。
看護教員をしていた十数年の間に、学生さん、卒業生さんの自死に遭遇しました。
自死の理由は、学校生活とは無関係でしたが、「人々の役に立ちたい」と願う前途有望な若者が自ら命を絶つことはとても悲しく、社会にとっても大きな損失だと感じています。
当時、その出来事にどのように対峙していいか分からない、なす術が無く「看護師は苦しみや、悲しみを表出しないのか?」という課題を抱き長いこと悶々としていました。
そして50歳過ぎて大学院の門をたたき、「看護師のスピリチュアルペインとケア」というテーマで、調査、研究して今に至っています。
そのなかで、私の研究について話を聴いてくださった方が、全国看護学生はぐくみネットで活動することを勧めてくださり、相談員として活動しています。
人生の大切な出会い「セルフ・コンパッション」という概念
私が、研究をする中で出会った概念が「セルフ・コンパッション」です。
これは、自分自身に「慈しみの気持ち」を向けるということです。
日頃の相談活動を通して、看護学生の皆さんは、日々の学校生活の中で看護を学ぶ喜びよりも、辛さの方が多いように感じています。
指導場面で傷つくことを言われたり、人格を否定されたり、虐めにあったり・・、とても胸が痛みます。
そのような中でも、日々を生きている皆さんに、自分を労わって欲しいのです。
「セルフ・コンパッション」には・・・
セルフ・カインドネス、コモン・ヒューマニティ、マインドフルネスの3つの柱があります。
あなたは、自分に慈しみの気持ちを向けるに値する大切な人
人間は生きていく上で、誰もが苦しみや悲しみを経験します。
そのうえで、私たちは平等だというのが「コモン・ヒューマニティ」です。
あなたが、今、抱えている辛さ、苦しみ、悲しみは他の人と内容は違うけれど、他の人もその人なりの辛さ、苦しみ、悲しみを抱えており、そういう意味であなたは孤独ではないという考えです。
なので、あなたが苦しい、悲しい状況にある時は、ヘルプを求めていいですし、辛い、苦しい、悲しい状況の自分否定し続けるのではなく、むしろそのような状況に居続けているご自分に優しさと慈しみを向けて欲しいです。
「あー、自分は否定されながらも、今日までやってきたよね、お疲れ様・・・」のような・・・。
実習中で、連日のように課題や技術などを否定されても、また、教員から人格を否定されても、あなたの存在意義、あなたが大切な人であることには変わりないのです。
だからと言って、否定され続けている時に「自分を肯定する」ことはとても難しいですよね。
そんなときは、無理をせず、「肯定できない状況にある自分」に優しさと慈しみの気持ちを向けてあげてください。
たとえ肯定できていなくても生きることを辞めていないのですから、それだけで十分です。
自分に慈しみの気持ちを向けていると、情けなさ、悔しさ、怒り、悲しさが和らぐようになります。
和らがない時は、はぐくみネットに繋がってください。
自分を労ることが、相手を労わることに繋がる
私たちは、辛さや、悲しみ、苦しみの渦の中にいるとそのことで一杯になり、周囲のことや人々について目を向けることが困難です。
これは、無理もありません。私たちの脳は、私たちを守る上でそのような進化をしてきたようです。
ただ、長い間、この状況が続くと周囲との関係性の悪化や積み重ねてきたものを失うことに繋がりかねません。
それは、あなたと周囲の人々にとっても不幸なことだと思いますので、自分の気持ちを整理する上で、あなたのことを否定せずに、「うん、うん」と共感しながら聴いてくれる人に思いをお伝えすることをお勧めします。
その時に、「私の苦しみなんて、あの人に比べたら小さい」過小評価や「この中で私が一番苦しい!」という誇大評価はさけて、冷静に客観的に、そして中立的に自分の苦しみや悲しみを自分で捉えることが大切です。これを「マインドフルネス」といいます。
苦しみや悲しみなどで一杯になった心に、余白を与えてくれ、気持ちに余裕が生まれます。他者に打ち明けるのが困難な場合は、書き出すことも有効です。
そしてその自分にも「慈しみの気持ち」を向けてみてくださいね。
例えば・・「あっ、だから、こんなに苦しかったのだなぁ。ここまできた私・・お疲れ様、よくやったね。」というように。
看護師の仕事は、人々の生活、人生に関わるとてもやりがいのある仕事です。
その分、人としても看護師としても「傷つく」ことは沢山ありますので、「セルフ・コンパッション」を実践することは、大切だと考えています。
人間は完全無欠な人は一人もいないですし、私も含めてみんな、でこぼこ(凸凹)なので、お互いを認め合い、補い合い、支え合い、労わり合うことが必要だと思います。そうなれるように、先ずは自分を労わってあげてくださいね。
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